​お城に想う

アイキャッチ用 松尾神父の今週の糧

年末年始のTV番組の中で、お城を扱った番組がいくつかありました。洋の東西を問わず、観光と言えば、神社仏閣(教会)とお城や砦、戦場跡が定番です。最近は歴女とか城ガールとか言って、女性の中にも城に興味を持つ方が増えているそうです。

私事になりますが、私もお城が大好きです。これまで行ったことのあるお城の中で好きな城といえば、姫路城、松本城、熊本城はもちろんですが、他にも渋い魅力を放つお城があります。例えば、大分県竹田市にある岡城。あの島津の精鋭軍が攻めきれなかった防御の堅固な城として知られています。また、わずか3年間のはかない命でしたが安土城跡祉もいいものです。あの信長が五層七重の天守閣を降り、広い大手道を馬で駆け下り、麓にあった三階建ての安土のセミナリオに行き、宣教師や小神学生たちにビオラ演奏を所望したというエピソードがあります。想像するだけで楽しくなってきます。高く聳える峻厳な山の上に建つ岐阜城もまた印象深いお城です。今年の大河ドラマは明智光秀が主人公なので、福知山城など光秀ゆかりのお城に観光客が押し寄せるかもしれません。

まだ行ったことはないのですが、興味深いのは兵庫県朝来市の竹田城です。ここは、お城ファンあこがれの城といわれています。険しい山の上に連なる石垣が、まるでペルーのマチュピチュのようだと話題になり、「天空の城」と呼ばれています。しかし、この竹田城を訪ねるのは、それほど楽ではないそうです。バスや車を使えるのは途中までで、最後は全員登らなくてはなりません。登っても竹田城には天守も櫓も門も、建物はなにもありません。あるのはただ石垣だけです。

竹田城がこれほど人気になったのは、他の城と異なる竹田城の特徴をとことん伸ばしたからと言われています。普通は、天守や櫓がないなら、それを復元しようとします。しかし、竹田城の場合は、残った石垣を保護して、はっきり見せることにこだわり、石垣周辺の木を伐り、草を刈り、山の上の石垣を浮かび上がらせるようにしたそうです。こうして、それまでは木に覆われていて、ただの山にしか見えなかった竹田城は、どこから見ても山上に石垣がそびえる“天空の城”となったわけです。

お城の場合も人間の場合も、ないこと出来ないことを嘆くのではなく、自分の長所や特徴を理解し、それを伸ばす努力の大切さを、竹田城は語りかけているのかもしれません。

主任司祭 松尾 貢


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